暖かくなってくると心配なのが食中毒の危険。
十分に注意しているつもりでも自分の認識が間違っている事もあります。
そんな中で加熱処理をしても食中毒を起こす「ウェルシュ菌」をご存知でしょうか?
ということで今回は、そんな今までの常識が通用しないウェルシュ菌についてご紹介したいと思います。
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ウェルシュ菌とは?食中毒症状と対策は?
ウェルシュ菌とは?
ウェルシュ菌(学名: Clostridium perfringens)は、人や動物の腸管、土壌や水中など、自然界の様々な場所に生息している菌です。
(画像引用元:http://sp.hazardlab.jp)
家畜や魚、ペットの糞便はもちろん、健康な人の便にも含まれている事が多いそうです。
ボツリヌス菌などと同じ嫌気性菌(空気を嫌う菌)で、芽胞が熱に強く加熱調理でも完全に死滅させる事ができません。
ウェルシュ菌以外の菌は加熱調理をすれば死滅するものがほとんどなので問題ありませんが、ウェルシュ菌の芽胞は残ってしまいます。
加熱調理した食品を常温で放冷して、ウェルシュ菌の芽胞が活動に適した温度になると活動・増殖を始めます。
(画像引用元:https://stat.ameba.jp)
特に料理の材料となる肉や野菜の中心部は酸素が無いのでウェルシュ菌にとって格好の温床です。
対策・予防法は?
カレーやシチュー、豚汁のように作った翌日の方が美味しいというようなお料理には注意が必要です。
翌日までお料理を寝かせている間に、お鍋の中ではウェルシュ菌が増殖を続けているのです。
食べる時に具材の中心部までしっかりと加熱殺菌をしないと増殖したウェルシュ菌をそのまま取り込む事になってしまいます。
カレーなどの煮込み料理を翌日に食べる時は以下の点に注意しましょう。
- 調理中は良くかき混ぜで料理中に空気を送り込む
- 翌日に残す分は小分けするなどして早く冷ます
- 冷めたらすぐに冷蔵庫に入れて保存する
- 冷蔵庫での保存も翌日までとする
- 食べる時には食材の中心部までしっかり加熱する(食材の中心部が75℃の状態で1分以上)
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症状は?
不幸にもウェルシュ菌が増殖した食品を食べてしまった場合6~18時間の潜伏期間の後、下痢や腹痛、下腹部が張るといった症状が現れます。
他の食中毒菌に比べると症状は軽い方だと言われています。
水分補給に気をつけて様子を見れば1~2日で治る事がほとんどです。
稀にウェルシュ菌が原因と見られる敗血症や急死の事例もあるそうです。
ウェルシュ菌の加熱処理でも食中毒症状が起きる!対策は早めに食べる!
確かに一晩寝かせたカレーは美味しいので、敢えて前日に作る事もありました。
そのカレーが下痢などの原因になっていたかもしれないなんて驚きです。
これからは調理・保存に十分注意してできるだけその日の内に食べ切ろうと思います。
みなさんも、加熱処理をすればいいと高をくくらず、早めに食べましょうね!
せばな~